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第2巻小学校低学年編第1話


光とともに… (2)光とともに… (2)
(2002/03)
戸部 けいこ

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 小学校入学を控えた光ですが、光の母親・幸子は妊娠していることから学童保育の利用を考えます。ですが、障害があることから断れてしまいます。
 小学校の入学式で光は担任の青木と参加しますが、会場にいた赤ちゃんが泣くことにより、パニックになってしまいます。そんな光に対して入学式に参加していた片倉(幸子の近所に住む母親で幸子のことを妬み、いじめていた)は光を自閉症だと周りの保護者に言い、行動に対して文句を言います。
 入学式後、交流学級として1年3組の教室に参加する光と青木。青木は光の障害について説明し、配慮ある対応をとってもらえるように保護者に対して話しかけました。
 学校で登園についてのプリントを紛失した幸子は、登校前日に同じ登校班である片倉に電話して集合時間を教わりますが、片倉は嘘の集合時間を伝えます。当日、集合場所で待っていた幸子は立ちくらみを起こし、その間に光は姿を消します。

 P5で保育士に「おはよう光くん」と挨拶された光は「お・は・よ・う ひかるくん」と答えています。挨拶ではなく、単なるエコラリアになってしまっています。自発的挨拶を教える必要があります。

 P21で幸子は靴の左右を覚えられない光に対して足を指し示して教えるという方法を取っています。否定的な言い方を肯定的に、と説明されていますが、この方法ではプロンプトが出続けているため、光が靴の左右を覚えることはありません。靴の履き方を間違えたら靴の左右をその場で、教えもう一度自分で履かせることをします。もちろん、左右がわからないように靴は揃えず、向きも変えて実施させてよいです。この方法だと、靴の左右に正解しなければ、外に出ることができません。最初は泣くかもしれませんが、必ず自分で靴の左右の違いを覚えます。外出することがごほうび(好子)になっているのであれば、全く気にする必要はありません。

 光は入学式で泣き叫んでしまいますが、これは仕方のないことです。なぜなら、入学式は今まで経験したことがないことだからです。行事が苦手というのはASD児によく聞かれますが、これは正確ではありません。正しくは、慣れていないことは苦手ということです。よって、入学式と同じようなことを映像で見せる、リハーサルを家で行うといったことでパニックは減らせます。嫌がるので行事には参加させない、嫌がっても行事に参加させるというのは両方とも間違った対応です。正解は、苦手だから前もって練習する、それでも嫌がったら途中で逃げられるところを作るということだと思います。

 以上が療育的立場からの意見です。
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テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児

第1巻保育園編第3話


光とともに… (1)光とともに… (1)
(2001/07)
戸部 けいこ

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 今日は光とともに…第1巻保育園第3話です。光の母親、幸子は光の就学にあたって教育センターの相談員と相談します。近くの小学校にある障害児学級(特別支援学級)に進学希望でしたが、就学時検診で養護(特別支援学校)判定の診断が出ます。幸子が妊娠したこともあり、最終的には希望する近所の特別支援学級に入学することが決まり、卒園式を終えた所で話は終わります。

 P217で光が保育園で「おはようございます」と挨拶ができるようになったと描写されています。ですが、場面から考えると相手が「おはようございます」と言っていることを単にオウム返ししているだけでしょう。自発的な挨拶を形成する必要があります。それは、こちらが何も声をかけなくても「おはようございます」と言えるようにすることです。最初は言語プロンプトを使って教え、それからは間接言語プロンプトにより行動がだせるようにします。

 P218で保育士は水遊びを続けたいため、泣いている光を相手にしていません。消去の対応を取っています。ですが、まずは、泣かずに切り替えられた時にきちんとほめて強化する必要があります。

 P220で光は決められた場所に逃げ込み、保育士は声かけをし落ち着いた光は外で水遊びをすることができました。とてもよい対応だと思います。泣いたりパニックになったりすることを防ごうとするのではなく、立ち直れるように待つことでこだわりやパニックは減ります。

 P221で耳を触られることを嫌がる光に対して心理指導の大沢は『無理にやらないほうがよい』とアドバイスを送っています。これは明らかに間違いです。例えば、急に中耳炎になってしまった場合、耳鼻科で耳を触ることができなければ治療ができません。苦手なことは好子を使って段階的に我慢できるようにしていかなけばなりません(エクスポージャー)。

 P232で太陽や光が昼寝の時間、他の子どもとは違う部屋で過ごしていると説明があります。二人とも遊びができるようになっていると書かれているので、明らかに好子による強化が起こっています。皆と静かに過ごさせたいのであれば、まずは、別室で寝られるようにする。その後、他の子どもの部屋の環境に段階的に近づけていく必要があります。

 P245で希望する特別支援学級がある小学校の校長に幸子は今までの保育園の子と離れたくないこと、将来的に光が地域の中で障害を持たない人とも関わりながら暮らせるようになってほしいことを伝えます。家の近くの小学校に通うというメリットはまさにここにあると思います。近所の子どもと顔なじみになり、地域の中で理解されることが期待できます。また、近所の母親同志のネットワークもできるため、母親の育児ストレスも溜まりにくいです。

 以上が療育的視点から見た感想です。

テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児

第1巻保育園編第2話


光とともに… (1)光とともに… (1)
(2001/07)
戸部 けいこ

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 今日は光とともに…第1巻保育園第2話です。前回、中島萌の母親に責められ落ち込んだ光の母親・幸子は萌の母親に謝ろうとするが、萌は謝罪を受け入れようとしません。一方、療育施設で一緒だった小山田太陽(ひろあき)の母親も保育園で受け入れられず、他の子どもの母親に陰口を叩かれることや保育士に嫌なことを言われるといった悩みを幸子に打ち明けます。萌の母親は一時は保育園を変えようと考えましたが、萌が光のことを大好きなことに気づき光の事を認め関わろうとしていきます。

 P192で幸子が光に保育園の写真を見せ、「今日も元気に保育園行こうね」と声をかけます。光は「ほ・い・く・え・んいこうね」と部分的にエコラリアをし、幸子は「そう行こうね」と言っていますが、この方法だと覚えるのはオウム返しをすることだけです。真似させることを意識させるのではなく、この場合はどこに行くのかというスケジュールを伝えることが重要だと思われるので「光、今日は保育園行くよ」とカードを見せた後に「今日はどこ行くの?」と光に聞き、「ほ・い・く・え・ん」と答えられたら、「『保育園!』、そう保育園に行くんだよ」とやり取りをしたほうがよいです。

 P200で保育園の靴置場で光がいつも決まった場所に靴を置こうとし、他の子どもの靴の上に置いてしまいます。幸子は保育士に置き場所を固定してほしいと伝えます。この方法は厳禁です。場所にこだわりがある子程、場所を固定してしまえばちょっとした環境の変化に弱くなってしまいます。よって、場所を少しずつずらして変えていく等して、靴置場が毎回異なってもパニックにならないようにしていくことが必要です。

 P203で保育士が光に他の子どもに対して「光くん、ごめんなさいは?」と謝らせることをさせています。この方法では恐らく光はけんかのもとになっている行動を止めないでしょう。どうしても物を取ったりする行動が消えない場合は過剰修正法タイムアウトを使って消す必要があります。もちろん、まずは適切な行動ができていたり、不適切な行動をしなかったら好子を与え強化する必要があります(代替行動分化強化他行動分化強化)。最終的に謝ることを光は覚えていますが、この方法で覚える可能性は低いです。

 P205で幸子が「センターの心理の先生が自分と他人の区別がつかないことも考えられる」と言っていたと報告します。心理士がこんな曖昧で不確定なことを言ってはいけません。他人の物を取る行為が問題であるだけであって、それが自分と他人の区別がつかないこととは関係ないです。

 P213で萌の母親が光に「おはよう光くん」と声をかけますが、光は「お・は・よひかるくん」とエコラリアをしています。この方法ではコミュニケーションは育ちません。「おはよう」と声をかけ、言えたら「『おはよう』だね、よく言えました」と言うように適切な言語行動を繰り返してあげることがオウム返しを防ぎます。詳しくはこちらを参照して下さい。

テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児

第1巻保育園編第1話


光とともに… (1)光とともに… (1)
(2001/07)
戸部 けいこ

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 今日は光とともに…第1巻保育園第1話です。
 母・幸子は迷いながらも光を定型発達児と同じ保育園に入れます(統合保育といいます)。そこでは、温かく光のことを迎え入れてもらえたものの、クラスメートの萌の母親に光が髪飾りを取ったり給食をとったりすることを責められます。ある日、光は萌を連れてビルの屋上に登って行ってしまいます。無事に降りれたものの、萌の母親に責められて、幸子が落ち込むところで話は終わります。

 P133で心理職の大沢が『しつけに関してはやっていいことわるいことははっきりさせてください。その時々で変わるようでは子供はますます混乱しますからね。』『毅然としてダメはダメ。ちゃんとできた時は笑顔でほめてあげましょう。」とアドバイスを送っています。確かにこの方法ではわかりやすいですが、自閉症児は「ダメ」だけでは行動が収まらない場合があります。その場合は弱化を使う方が効果的です。また、同様に笑顔でほめることは最初は好子にならないことが多いです。なのでお菓子などの好子を同時に使うほうがよいです。

 P139で光は他の子どもの母親がつけているアクセサリーを取ろうとして幸子に制止されます。結果、光は幸子にかみつきますが他の保育士に連れて行かれます。他にも萌のリボンを取ったりしています。その都度、保育士は注意していますが、光にとって注意は嫌子としては機能しません。他の人の物をとってしまった場合はまずは過剰修正をし(この場合だと何回も萌にリボンを返させる)、それでも行動が消えない場合はタイムアウトを使って行動を消します。また、触ってもよいアクセサリーやリボンを作る等することも大切です。

 このように他者に迷惑をかける行動は弱化を使ってでも即座に無くした方がよいです

テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児

第1巻誕生・幼児編第3話

 今日は光とともに…第1巻誕生・幼児編第3話について解説します。
光とともに… (1)光とともに… (1)
戸部 けいこ

秋田書店 2001-07
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 母・幸子は父・雅人とケンカをし、光を連れて実家に帰っていましたが雅人が過労で倒れ、それをきっかけにまた家に戻りました。雅人も光の障害を理解し、療育を両親が強力して始めました。光が幸子に向かって初めて「ママ」と言ったところで物語は終わります。

 今回、初めて雅人が光の障害に真摯に向き合います。私は障害児の親ではないので心情は詳しくは解説できません。ですが、子どもの障害を受け入れるにはいろいろな段階が必要なようです。詳しくは以下の本を参照して下さい。

自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト―お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト―お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育
藤居 学

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 P112で雅人が帰ってきたことを光に報告しますが、無反応なため落ち込んでいます。挨拶というのは毎日できる大切なことです。最初は嫌がるかもしれませんが、帰ってきたり見送ったりするときは子どもの近くに行き、目が合うまで向かい合いましょう。目があえば「ただいま」等と言って高い高い等、喜ぶことをしてあげましょう。これもアイコンタクトの練習の一つです。

 P114で光が体温計を嫌がり、泣き叫んでいます。雅人と幸子が光を押さえこんで二人がかりで体温を測っています。体温計や歯医者での治療、美容院で嫌がる子どもは多いです。原因は簡単、経験不足です。いずれも毎週のようにあることではないので慣れないことが問題なのです。注射や体温計などは体調不良の時に必ず使用が求められることがあります。なので、元気なうちに慣らしておく必要があります。苦手なものを克服する方法を手本にして直していきましょう。体温計の場合は
1.体温計を手のひらに当てる
2.体温計を肩に当てる
3.体温計を脇の下に少し挟む(1秒ほど)
4.だんだんと時間を長くしていき、体温が測れるようにする
のようにスモールステップに分けて慣らしていけば必ずできるようになります。
 また、雅人と幸子がやったように力ずくで押さえつけることは非常事態では仕方がありませんが、本当は厳禁です。なぜかというと
1.子どもが大きくなったらその方法は困難
2.子どもとの信頼関係が崩れる
という理由です。

 P117で光が言語指導を受けている様子が載っていますが、表出言語ではなく、受容言語を教えられているだけです。つまり、指示されたカードをあげたり、指示に従って動作をしたりするだけです。この指導方法は現在の日本の公的療育において特段珍しいことではありません。ですが、言語指導において何よりも重要なのは表出言語です。表出言語が指導できる専門家が多くなればよいのですが…現状では私的にセラピストを雇って頂く方法が現実的です。

 P119で雅人と幸子が身の回りの物のほとんどを写真にしてリングで留めています。こちらでは見通しを立てさせるためにカードを使っています。カードの使用方法に問題はありませんが、こちらも表出言語を伸ばす方法にはなりえません。それでも光がCMを真似したりと自発言語が出たりしているのは生まれつきの能力の高さのおかげでしょう。訓練しなくてこのレベルであれば、訓練していれば飛躍的に言語を伸ばせるのに…とマンガの人物ではありますが歯がゆく思ってしまいました。
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